傷だらけのグランドセイコーも売れる！買取を断られない理由と高く売るコツ

「長年愛用してきたグランドセイコー、気づけば傷だらけになってしまった……」
「ガラスに欠けがあるし、こんなボロボロの状態では売れるわけがない」

そんなふうに諦めて、時計を引き出しの奥にしまっていませんか？

結論から申し上げますと、その傷だらけのグランドセイコーは、間違いなく売れます。 しかも、あなたが想像している以上の金額がつく可能性が高いです。

グランドセイコーは、「最高の普通」をコンセプトに掲げる日本が誇るマニュファクチュールです。その価値は外装の傷程度では揺るぎません。むしろ、使い込まれた時計こそ、中の機械（ムーブメント）の優秀さが証明されているとも言えます。

この記事では、買取業界の視点から以下の内容を詳しく解説します。

なぜ、傷だらけでもグランドセイコーは高く売れるのか？
「使用傷」と「深い傷」で査定額はどう変わるのか
修理してから売るべき？（絶対にNGな理由）
実際にボロボロの時計を売った人のリアルな体験談

「恥をかかずに売りたい」「少しでも高く現金化したい」と考えている方は、ぜひ最後までお読みください。その時計、捨てるにはあまりにも惜しい資産です。

傷だらけのグランドセイコーでも売れる？値段がつく理由と限界ライン
傷だらけのグランドセイコーを少しでも高く売れる状態にするポイント
まとめ：傷だらけのグランドセイコーは「資産」である

傷だらけのグランドセイコーでも売れる？値段がつく理由と限界ライン

「グランドセイコーは高級時計だから、綺麗な状態でないと価値がない」と誤解している方は非常に多いです。しかし、中古市場の実態は異なります。たとえ傷だらけであっても、グランドセイコーが売れるのには明確な理由があります。

なぜグランドセイコーは傷だらけでも買取可能なのか

最大の理由は、「グランドセイコーは、修理して再生することが前提で作られている時計だから」です。

一般的なファッション時計は、壊れたり傷ついたりすると「寿命」とみなされます。しかし、グランドセイコーは違います。

ザラツ研磨による再生能力
グランドセイコーの特徴である「歪みのない鏡面」を生み出すザラツ研磨技術。専門の修理工房やメーカーメンテナンスを通せば、多くの擦り傷は新品同様の輝きを取り戻せます。買取業者は、提携工房で安く研磨して再販できるルートを持っているため、現状が傷だらけでも強気で買い取れるのです。
参考：グランドセイコーコンプリートサービス（修理・メンテナンス）
ムーブメント（中の機械）の資産価値
外装がボロボロでも、中に入っている「9Sメカニカル」「9Fクォーツ」「スプリングドライブ」といったムーブメント自体に巨大な価値があります。最悪の場合、外装を捨てて部品取り（ドナー）として活用する需要も世界中に存在します。

「使用傷」と「深い打痕」での査定評価の違い

一口に「傷」と言っても、査定への影響度は異なります。ご自身の時計がどのレベルか確認してみましょう。

レベル1：日常使いの擦り傷（スレ）
- 状態: 光に当てると見える細かい線状の傷。
- 査定への影響: ほぼ減額なし、または微減。
- 理由: 軽く研磨（ポリッシュ）すれば消えるため、中古A〜Bランクとして十分流通させられます。
レベル2：爪が引っかかる深い傷（打痕）
- 状態: 時計をぶつけた際にできた凹みや、落下によるガリ傷。
- 査定への影響: 数千円〜数万円の減額対象。
- 理由: 研磨で削りすぎると時計のケース形状が変わってしまう（痩せてしまう）ため、完全には消せない場合があります。しかし、それでも「使い込まれたヴィンテージ感」として許容する層がいるため、買取拒否にはなりません。

ガラス（風防）の欠けやリューズ故障がある場合

「ベゼルの傷どころか、ガラスの縁が欠けている」「リューズが固くて回らない」といった状態でも、グランドセイコーなら売れる可能性が極めて高いです。

サファイアガラスの交換費用やリューズ修理費は、正規店では高額ですが、買取業者の提携工房では原価で修理可能です。そのため、「市場相場 – 修理原価 = 買取価格」という計算式が成り立ち、数万円〜十数万円の手元残しが十分に期待できます。

注意点：
文字盤（ダイヤル）内部の腐食や、水入りによる赤サビが発生している場合は、さすがにジャンク品扱いとなり価格が大きく下がります。それでも「0円」になることは稀ですので、自己判断で捨てないでください。

【体験談】ボロボロのGSを実際に査定に出してみた結果

ここで、実際に傷だらけのグランドセイコーを売却した方のエピソードをご紹介します。
「こんな時計を見せるのは恥ずかしい」という不安をお持ちの方の参考になるはずです。

■体験者：Kさん（45歳・営業職）
■売却モデル：SBGR051（自動巻き）

「15年前に昇進祝いで買ったグランドセイコー。毎日仕事でガシガシ使っていたので、ベゼルは傷だらけ、バンドもダルダルに伸びていました。新しい時計の頭金になればと思いましたが、あまりのボロボロさに、お店に持っていくのが恥ずかしくて……。

『こんなゴミみたいな時計持ってきて』と笑われるのが嫌で、とりあえず宅配買取を利用しました。

驚いたのは査定結果の電話です。
『K様、長年大切に使われてきたのが伝わる時計ですね。ケースの傷は多いですが、精度はしっかり出ています。9Sキャリバーの人気モデルですので、限界まで頑張らせていただきます』

提示されたのは12万円。正直、3万円くらいかと思っていました。
『傷は我々の方で綺麗にしますから、気にしなくて大丈夫ですよ』という言葉に救われましたね。恥ずかしがらずにもっと早く売ればよかったです」

このように、プロの査定員は「傷」を「汚い」とは見ません。「修理コストがいくらかかるか」を冷静に計算しているだけですので、堂々と査定に出して大丈夫です。

傷だらけのグランドセイコーを少しでも高く売れる状態にするポイント

傷があることは変えられませんが、査定に出す直前の「ちょっとした工夫」で、評価を底上げすることは可能です。逆に、良かれと思ってやったことが大損につながるケースもあります。

ここでは、傷だらけのグランドセイコーを少しでも高く売れる状態にするための具体的なテクニックを解説します。

1. 絶対に修理・研磨（ポリッシュ）に出してから売ってはいけない

これが最大の落とし穴です。「綺麗な方が高く売れる」と考え、メーカーのコンプリートサービスや時計修理店で研磨をしてから売ろうとする方がいますが、これは経済的に「大赤字」になります。

メーカー修理・研磨費用: 約50,000円〜
研磨による買取アップ額: 約10,000円〜20,000円程度

プロの買取業者は、自社提携の工房で格安（数千円レベル）で研磨ができます。あなたが正規料金で5万円払って綺麗にしても、買取額はそこまで上がりません。「傷だらけのまま売る」のが、最終的に手元に残る現金が一番多くなる方法です。

2. 査定額アップに直結する「付属品」の有無

時計本体が傷だらけの場合、付属品（特に保証書と余りコマ）の存在が命綱になります。

余りコマ:
ブレスレットの傷や伸びがあっても、調整用の「余りコマ」があれば、再販売時に腕の太い人にも売れるため、販路が広がります。これだけで数千円〜1万円の差が出ることがあります。
保証書（ギャランティ）:
近年、グランドセイコーは保証書の有無を重要視する傾向にあります。たとえ保証期間が切れていても、「本物である証明」として数万円単位の影響力があります。

「箱はボロボロだから捨てよう」と思わず、汚れていても全てセットにして査定に出してください。

3. 皮脂汚れを落とす「セルフクリーニング」の効果

傷は消せませんが、「汚れ」は落とせます。
時計の裏蓋やベルトの隙間に、黒い皮脂汚れが溜まっていませんか？

査定員も人間です。汚い時計を渡されると、「内部までメンテナンスされていないのではないか？」「扱いが雑だったのではないか？」という心理バイアスがかかり、査定が厳しくなる傾向があります。

【推奨セルフクリーニング】

マイクロファイバークロス（眼鏡拭き）で全体を丁寧に拭く。
ベルトの隙間の汚れは、爪楊枝や柔らかい歯ブラシで優しく掻き出す。
- ※水洗いは防水性能が低下している可能性があるため避けてください。

これだけで、時計の「輝き」が変わり、「傷はあるが、大切に扱われてきた時計」というポジティブな印象に変わります。

4. 傷がある時計こそ「専門店」を選ぶ

最後に重要なのが「どこに売るか」です。

総合リサイクルショップ:
マニュアル通りの査定しかできないため、傷があると一律で「ランクC」「ジャンク品」と判定され、買い叩かれるリスクが高いです。
時計買取専門店:
自社でメンテナンス部門を持っていることが多く、「直せば売れる」ことを熟知しています。そのため、傷に対する減額幅が最小限で済みます。

グランドセイコーのような高額品、かつ状態に難がある場合は、必ず時計専門の査定士がいる業者を選びましょう。