「20年前に買ったルイ・ヴィトンのバッグ、内側がベタベタになっちゃった……」
「持ち手がちぎれそうなシャネル、恥ずかしくてお店には持って行けない」
「カビが生えてしまったけれど、捨てるのはもったいなくて捨てられない」
クローゼットの奥で、こんなボロボロのブランドバッグを眠らせていませんか?
かつて清水の舞台から飛び降りるつもりで買った憧れのブランド品。いくらボロボロになっても、ゴミ袋に入れて捨てるのは心が痛みますよね。かといって、きらびやかな買取店に持っていくのも、「こんな汚いゴミみたいな物を持ってきて……」と店員さんに笑われないか、不安でたまらないはずです。
でも、安心してください。その「ボロボロのブランドバッグ」、実は意外な高値で売れる可能性が非常に高いです。
買取業界では、使い古された状態の悪いバッグこそ、今もっとも熱い商材の一つと言っても過言ではありません。「恥ずかしい」と躊躇して捨ててしまうことこそ、数万円、あるいは数十万円をドブに捨てるのと同じことなのです。
この記事では、買取ジャンルに特化した筆者が、以下のポイントを徹底解説します。
- なぜ、ボロボロで壊れた状態でも買取業者は欲しがるのか?
- 具体的にどこまでのダメージなら買い取ってもらえるのか?(写真判断の基準)
- 少しでも高く、そして恥ずかしい思いをせずに売るための裏ワザ
読み終える頃には、「私のバッグも売れるかも!」と前向きな気持ちになり、臨時収入を得るための第一歩を踏み出せるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。
なぜボロボロのブランドバッグでも買取可能なのか?捨てずに現金化できる理由
「こんなに汚れていたら、次に使う人なんていないはず……」
そう思うのは当然です。しかし、ブランド買取の市場には、一般の消費者には見えていない「特殊な流通ルート」と「プロの技術」が存在します。ここでは、なぜボロボロのブランドバッグが買取対象になるのか、その裏側の仕組みを解き明かします。
需要は尽きない!世界的な中古市場と業者のリペア技術

まず知っておくべきは、ハイブランドの製品力は桁違いであるという事実です。
ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメスといったトップブランドは、素材そのものの品質が極めて高く、縫製も頑丈です。多少表面が劣化していても、基礎となる構造はしっかりしていることが多いため、修理(リペア)をすれば新品同様に蘇るケースが多々あります。
1. プロのリペア職人による再生
多くの大手買取業者は、自社または提携工房に専門のリペア職人を抱えています。
例えば、角が擦り切れて色がハゲてしまったバッグでも、プロが染め直し(リカラー)を行えば、驚くほど綺麗になります。
個人が修理に出すと数万円かかりますが、業者は自社コストで安く修理できるため、その分を買取価格に還元できるのです。
2. 日本の「ユーズド品」は世界中で大人気
日本の中古ブランド品市場は、世界的に見て非常に信頼度が高いブランドとして確立されています。
「日本人は物を丁寧に扱う」「日本の鑑定基準は厳しく偽物が少ない」という評価(信頼性)があり、海外バイヤーがこぞって日本のオークションに参加しています。
日本国内では「汚い」と敬遠されるレベルの使用感であっても、東南アジアや欧米などの海外市場では「ヴィンテージの味」として受け入れられたり、「この価格で本物が手に入るなら安い」と飛ぶように売れたりします。
あなたの手元にあるボロボロのバッグは、海を越えて誰かの宝物になる可能性があるのです。
3. 「部品取り」としての価値
仮に、バッグとしての機能が完全に失われている(修復不可能)場合でも、まだ価値は残っています。
例えば、ファスナーの引き手(プルタブ)、南京錠(カデナ)、ロゴプレート、使える部分の革素材などです。これらは、他のバッグを修理するための「純正パーツ」として非常に貴重です。
車で言えば、廃車になっても部品だけで価値があるのと同じ理屈です。特に廃盤モデルのパーツは入手困難なため、ボロボロの残骸であっても、業者にとっては「宝の山」に見えることがあるのです。
買取OKの具体例①:内側のベタつき・剥がれ・カビ・臭い

ここからは、具体的なダメージの例を見ていきましょう。
「これは流石に無理だろう」と諦めてしまうNo.1の症状が、内側の劣化です。
- 内側のベタつき・剥がれ
日本の湿気はブランドバッグの大敵です。久しぶりにクローゼットから出したら、内側の合成皮革が加水分解を起こし、ベタベタしたりボロボロと剥がれ落ちてきたりすることがあります。特にルイ・ヴィトンの古いポケット内でよく見られます。
【判定:買取OK】
内張りの張り替え交換は、修理の中でも比較的行いやすい部類です。外側のモノグラムやダミエの柄が綺麗であれば、内側がどれだけ酷くても数千円〜数万円の値段がつくことがよくあります。 - カビ・カビ臭
白カビが表面に付着していたり、強烈なカビ臭がしたりする場合。
【判定:買取OK】
表面のカビはクリーニングで除去可能です。臭いに関しては、オゾン脱臭機などの業務用機器を使用すればかなり軽減できます。カビが生えているからといって、不潔だから拒否されるということはまずありません。
買取OKの具体例②:角スレ・日焼け・変色・大きなシミ
使用感が最も現れやすい外観のダメージです。
- 角スレ(パイピングの露出)
バッグの四隅が擦れて色が落ちたり、中のパイピング(芯)飛び出してしまっている状態。
【判定:買取OK】
最も一般的なダメージであり、査定員も見慣れています。リカラー(補色)で目立たなくできるため、減額対象にはなりますが買取は確実に可能です。シャネルのマトラッセなどは、多少角が擦れていても需要が勝るため高値がつきやすいです。 - 日焼け・変色(ヤケ)・雨ジミ
ヌメ革が飴色を通り越して真っ黒になっていたり、ヴェルニ(エナメル素材)が変色して黄色くなっていたりする状態。
【判定:買取OK】
ヌメ革の変色は「エイジング(経年変化)」として評価される場合もあります。エナメルの変色は修復が難しいですが、それでもブランド自体の価値があるため、値段がつかないことはありません。
買取OKの具体例③:持ち手の千切れ・ファスナー故障・付属品欠品
機能的な欠陥がある場合です。これらは「ジャンク品」扱いにはなりますが、買取は可能です。
- 持ち手(ハンドル)の千切れ・ひび割れ
ハンドルが根元からちぎれそう、または完全にちぎれて取れてしまった状態。
【判定:買取OK】
ハンドル交換修理が可能です。ハンドルが片方ない状態でも、本体部分が生きていれば買取してもらえます。 - ファスナー故障・ボタン不具合
ファスナーが動かない、レールが破れている、スナップボタンが閉まらない。
【判定:買取OK】
ファスナー交換やスライダー調整で直ります。 - 付属品欠品
箱、保存袋、ギャランティカード(保証書)、ショルダーストラップがない。
【判定:買取OK】
付属品がある方が査定額は上がりますが、なくても「本体のみ」で買取可能です。ただし、シャネルやプラダの一部商品など、ギャランティカードの有無が重要視されるブランドもありますが、それでも買取不可になるケースは稀です。
ただし買取不可になるケース(コピー品やブランドタグ消失など)
ここまで「なんでも売れる」とお伝えしましたが、例外的に買取を断られるケースがいくつか存在します。
- 基準外商品(コピー品・偽物)
当然ですが、偽物はどんなに綺麗でも1円にもなりませんし、売買自体が違法です。 - ブランドロゴやタグが確認できないもの
修理や劣化によって、ブランドロゴの刻印やシリアルナンバーのタグが完全に消滅・欠落してしまっている場合、真贋判定(本物かどうかの確認)が難しくなり、買取を断られることがあります。 - リメイク品(非正規修理)
自分で布を貼り替えたり、街の靴修理屋さんなどで純正とは全く異なるパーツを使って修理されたりしたものは、「改造品」とみなされ、ブランド価値なしと判断されることがあります。
ボロボロのブランドバッグを買取依頼して少しでも高く売るためのコツ
「売れることはわかったけれど、やっぱり安く買い叩かれるのは嫌だ」
「汚いバッグを見せるのは恥ずかしい」
そんなあなたのために、ここではボロボロのブランドバッグを賢く、そしてストレスなく買取してもらうための実践的なコツを伝授します。
絶対にやってはいけない!自己流の修理・補修・過度なクリーニング
これが最大の落とし穴です。「少しでも綺麗に見せたい」という親心から、自分で何とかしようとするのは逆効果です。
- 市販のクリームで色を塗る
→ 素人が塗った塗料はムラになりやすく、プロが落とす手間が増えるため、大幅な減額、最悪の場合は買取不可になります。 - 接着剤で剥がれをくっつける
→ 市販の瞬間接着剤は素材を硬化させたり変色させたりします。一度硬化した接着剤を除去するのはプロでも困難です。 - 強くこすって汚れを落とす
→ 汚れを落とすつもりが、革の表面を傷つけてしまったり、色落ちさせてしまったりします。
正解は「そのまま出す」こと。
ホコリを軽く乾いた布で払う、掃除機でバッグの中のゴミ(髪の毛やレシートくず)を吸い取る程度で十分です。無理なメンテナンスは控えてください。
店員に見せるのが恥ずかしいなら「宅配買取」がおすすめ

「対面で査定員に『うわっ、汚い』と思われるのが怖い……」
「断られた時に気まずい思いをしたくない」
そんな心理的ハードルを感じている方には、「宅配買取」が最強の解決策です。
- 誰にも会わずに済む
自宅でダンボールに詰めて送るだけなので、店員の顔色を伺う必要が一切ありません。 - 全国の優良業者に依頼できる
近所のリサイクルショップでは専門知識がなく「状態が悪いから100円」と言われるようなバッグでも、全国対応の専門店なら適正価格で買い取ってくれます。 - キャンセルも気楽
査定額に納得できなければ、メールやLINE一本でキャンセルできます(返送料が無料の業者を選ぶのがポイントです)。
「状態が悪くても歓迎」を明言している専門店を選ぶべき理由
買取業者には「得意・不得意」があります。
例えば、綺麗な現行品だけを店頭に並べて売りたい「セレクトショップ系」の買取店では、ボロボロのバッグは再販しにくいため、安値をつけられる傾向があります。
一方で、「ボロボロ・破損あり大歓迎」と公式サイトで大きく謳っている業者は、先述した「自社リペア工房」や「海外販路」を持っています。彼らは直して売るノウハウがあるので、強気な価格を提示できます。
業者選びの際は、ホームページを見て「どんなに古くてもOK」「ちぎれていてもOK」という文言があるかを必ずチェックしましょう。
他の不用品や洋服とセットで出す「まとめ売り」で査定額アップ
ボロボロのバッグ単品だと、業者側も送料や人件費のコストがかかるため、査定額が伸び悩むことがあります。
そこで有効なのが「まとめ売り」です。
- もう使わないブランドの財布やキーケース
- 古いアクセサリー(金やプラチナなら壊れていても高価買取!)
- 着なくなったブランド服
これらをまとめて査定に出すことで、業者側は「一度の手間でたくさん仕入れができた」というメリットが生まれ、その分を査定額に上乗せしてくれる(「おまとめボーナス」)ことがよくあります。
「これ値段つくかな?」と思うものも、同梱してみるのが吉です。
諦める前にLINE査定を活用して概算金額をチェックする
「送ってから『買取不可』で返送されたら面倒くさいな……」
そう思う場合は、「LINE査定(写真査定)」を活用しましょう。
スマホでバッグの写真を撮り(特にダメージが酷い部分をアップで)、業者のLINEアカウントに送るだけで、数時間以内に「おおよその査定額」を教えてくれます。
この時点で「買取可能です」と言われれば、安心して本査定(宅配買取)に進めますし、「値段がつかない」と言われたら別の業者を当たれば良いだけです。
名前や住所を明かす必要もないので、個人情報の面でも安心です。まずは気軽に写真を送ってみることから始めてみましょう。
まとめ:そのボロボロバッグ、捨てたら0円、売ればお小遣い!
今回は、ボロボロのブランドバッグでも買取が可能である理由と、高く売るためのコツについて解説しました。
重要なポイントを振り返りましょう。
- ハイブランドなら、ベタつき・千切れ・カビがあっても売れる可能性大。
- 自己流の修理は絶対にNG。そのままの状態で出すのが一番。
- 対面が恥ずかしいなら、顔を合わせない「宅配買取」を利用する。
- 「ボロボロ歓迎」の業者を選び、LINE査定で事前に確認すると安心。
あなたが「ゴミ」だと思っているそのバッグは、プロの手によって蘇り、世界のどこかで誰かの役に立つかもしれません。
何より、捨てる罪悪感から解放され、思わぬ臨時収入が入ってくるのは嬉しいですよね。
「どうせ売れない」と決めつけて捨ててしまう前に、まずは一度、査定に出してみてください。
あなたのクローゼットがスッキリ片付き、懐も温まる嬉しい結果が待っているはずです。
